【11月新刊】物語を感じさせるような表紙が印象的な「ピアノ・ビレッジ」。出版元の全音楽譜出版社様にお話をうかがいました!
ピアノ教本/クラシックピアノ
小山和彦「ピアノ・ビレッジ」
1.蛍の星座
2.いつかみた夢
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全音楽譜出版社 刊 各1,540円
11月15日発売
11月15日に発売となる「レッスン 発表会用曲集 ピアノ・ビレッジ」は、作曲家・小山和彦さんによるオリジナルピアノ小品集。バイエル後半から取り組める取り組みやすさ、そして物語を感じさせる表紙デザイン…これはぜひ詳しい内容を知りたい! ということで、出版元の全音楽譜出版社様にお話をうかがいました!
—— 「ピアノ・ビレッジ」はどのような曲集で、どのような人に向けて作られたのでしょうか?
「ピアノ・ビレッジ」は、作品へのイメージを膨らませながらテクニックを身につけていける、2巻だてのピアノ曲集です。
身近な自然や情景、小さな生き物をテーマに、各曲に「旋律と対旋律」「アーティキュレーション」「手の交差」「アルペジオの受け渡し」などのテクニック上のポイントを設定しています。それにより、それぞれの曲がどんなイメージなのか想像を膨らませながら、そのイメージを実現させるためのテクニックを身につけていくことができます。
曲集の冒頭には、作品理解の足掛かりとなる解説と、学習の助けとなる練習アドバイスも掲載しているので、お子さまのレッスンでのご使用にもおすすめです。
—— どのような曲が入っているのですか?
作曲家・小山和彦先生が、おおよそ8年前から少しずつ書き進めてきたオリジナルの小品を収載しています。響きの美しいゆったりとした作品から、活発な動きのある技巧的な作品まで、幅広い曲調をバランスよくまとめているので、飽きずに取り組んでいただけるのではないかと思います。
1巻には、バイエル後半~ブルクミュラー程度でチャレンジできる難易度の、譜めくりせずに弾ける作品を収載しています。一方、2巻にはブルクミュラー~ソナチネ程度でチャレンジできる作品を収載しており、弾きごたえのある作品も含まれています。いずれの曲も内容が濃く、1曲のなかでの展開があるので、発表会など人前での演奏シーンでもよく映えると思います。
●収録曲
1巻「蛍の星座」バイエル後半~ブルクミュラー程度
遊ぼう、元気よく/春の息吹/青空へ飛ぼう/蝶々の舞踏会/あめんぼのさんぽ/涙のシチリアーナ/薫風/荒野の夜明け/耳を澄ませば、秋の声/ふわり、雲の上/小川のささやき/タランテラ/陽気なカマキリ/さみしい雨音/青空に絵を描くトンボ/冬 静かに眠る/蛍の星座/恋するバッタ/月夜の森/永遠なる花畑 (全20曲)
2巻「いつかみた夢」ブルクミュラー~ソナチネ程度
遥かなる子守唄/おたまじゃくしの夢/草原を見渡して/無邪気なテントウムシ/砂浜の夕暮れ/ねずみのかくれんぼ/きらめく星に/無窮動/秋のメランコリー/さざなみ/つばめの旅/金魚ゆらり/ときめきのワルツ/ミツバチの日記/いつかみた夢/湖面を見つめて/夜空のアラベスク (全17曲)
下記より演奏動画をご視聴いただけます!
全音楽譜出版社公式YouTubeチャンネル
—— 表紙のイラストが、1巻、2巻と同じアングルから描かれているのも、とても興味深いです。どのようなコンセプトで描かれたのですか?
1・2巻共通のコンセプトは「上空に佇むピアノがシンボルの村、“ピアノ・ビレッジ”。街角ピアノのように、訪れた人が弾くピアノの曲が空から降りそそぎ、村全体を包んでいる」です。
1巻「蛍の星座」は、少年が弾くピアノの音が蛍となり、星になっていくイメージです。
一方、2巻「いつか見た夢」は、ピアノを弾く少女のまわりに鳥たちが集い、ともに歌っているイメージです。
—— 読者へのメッセージをお願いします。
楽譜をしっかりと読み込んだうえで、音楽のイメージと表現とを結びつけることは、ピアノをはじめとするあらゆる楽器の演奏において非常に重要だと思います。また、表現に際しては、イメージをもつことに加え、それを実現させるための演奏上のテクニックを身につけることも大切ではないでしょうか。この曲集を、音楽的な表現とテクニックとを融合させることに役立てていただけましたら、とてもうれしく思います。
—— ありがとうございました!
●小山和彦(こやま かずひこ)プロフィール
国立音楽大学作曲学科卒業時に有馬賞受賞。東京藝術大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。第56、57回日本音楽コンクール作曲部門にて入選(室内楽作品)と第2位入賞(管弦楽作品)。1997年第4回ピアノデュオ作品による国際作曲コンクール連弾部門第1位入賞。1998年第9回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門入選。2000年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲作曲賞(特級)、および2003年度(A1級)、2004年度(コンチェルト部門)ピティナ・ピアノコンペティションにて課題曲採用。2013年~2015年宮城県登米市市民歌制定委員会委員長。現在、宮城学院女子大学教授、国立音楽大学非常勤講師。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)名誉評議員。特定非営利活動法人日本現代音楽協会、一般社団法人日本作曲家協議会、宮城県芸術協会、日本音楽表現学会各会員。
主な作品に、交響曲(1998)、ピアノ協奏曲第1番(2008)、〈風雪の舞〉十三絃箏、十七絃箏五重奏のための(2009)、ピアノ協奏曲第2番(2013)、〈道の彼方へ〉ファンファーレオルケストのための(2013)、オーケストラのための協奏曲(2015)、ピアノ協奏曲第3番(2018)、ピアノ協奏曲第4番(2021)、オーボエ、ファゴットとピアノのためのトリオパルティータ(2023)がある。