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ピアノ教本/クラシックピアノ

【聞いて!まるみえ先生】今回のお悩みは…「教室規約を作りたい/前編」

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前編:規約を作る上でのポイント ← 今ここ!
後編:規約作成の具体例

 教室規約の作成で大切なことは「教室運営の円滑化」「生徒さんや保護者様との信頼関係の構築」の両方をふまえた内容にすることだと私は考えています。

 「規約」とは、教室の運営を健全に速やかに行う「ルール」であると同時に「教室の理念を理解していただけるもの」である必要があると思うのです。そのためにもバランスのとれた規約を作成して、柔軟かつ公平に運用することが大切だと思います。

 それでは、規約を作る上でのポイントを挙げます。

 一人ひとりに異なる対応をしてしまうと不公平感やトラブルの原因となります。規約はすべての生徒さんに適用できるように作成しましょう。

 誰にでも理解しやすい言葉で、簡潔かつ具体的に書きましょう。

 欠席や振替対応、退会手続きなどについて、ある程度の柔軟性を持たせることも大切です。

 ピアノ教室の存在意義は、生徒さんが音楽を学び、楽しみながら成長することです。規約はその目的をサポートするためのルールであるべきではないでしょうか? 教室は生徒さんが安心して利用できる環境であり、レッスン継続に関して協力的であることを示しましょう。

 また、長期に渡って教室運営することを考慮すると、次のようなことも非常に重要な項目になります。

 過剰な振替対応や直前の変更に追われると、講師の仕事量や経費の増加で運営が難しくなることもあります。講師の時間を尊重するためのルールも設定しましょう。

 教材費や発表会費など、運営に必要なコストは透明性を持って規約で示し、収益が適切に確保できるようにします。

 トラブルの多くは、ルールの解釈の違いから生じます。よくあるトラブル(例:欠席の振替、退会時の対応)を想定し、あらかじめ規約で明示しておくことが大切です。規約を読んだ方が、どういう解釈をするのか? という客観的な視点は各項目で必ず考慮すべきだと思います。

 厳しすぎる規約は保護者様や生徒さんから不満が生じる可能性があります。「特別な事情がある場合はご相談に応じます」「不測の事態によりレッスンを休まざるを得ない場合はご相談ください」などの記載を入れておくことをおすすめします。

 厳しい規約を相手側に求めるということは、教室側も同じ規約を持って運営を行うということに他なりません。お互いを規約で縛りあうことにならないようにしましょう。

 規約は事務的なものですが、その根底にある教室理念・ビジョンを反映させることで、保護者様のより深い理解と協力を得られるようにしましょう。

 教室の利益や講師を守るためだけのものではなく、生徒さんや保護者様と講師の間で信頼関係を築くことを目的として、お互いが安心してレッスンに取り組める環境を目指す内容にしましょう。

 1回作成して終わりではありません。時代や教室の規模に応じて、内容を見直すことが必要です。「規約は状況に応じて変更する場合があります」と明記し、変更時には事前に周知します。

 生徒さんや保護者様からの意見や感想を参考に、より良い規約を構築していく姿勢を持つことが望ましいです。


 以上、いかがでしたでしょうか。
「後編」では、実際の規約作成例についてご提案させていただきます。

中西 美江(なかにし・みえ)プロフィール
奈良・新大宮ぽこあぽこピアノ教室主宰。生徒さんの目の前で書くレッスンをして30年。ポピュラー、ジャズなどを取り入れた独自のカリキュラムでレッスンを行う。
「マイピアノ楽譜」「教室運営法」「体験レッスン成功法」「続けることのできるレッスン法」をテーマに、各地で講座開催中。
https://www.pocoapocopiano3.com/

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