【聞いて!まるみえ先生】今回のお悩みは…「練習しているところを見られたくない生徒さん」
ピアノ教本/クラシックピアノ
今回のお悩みは…
「練習しているところを見られたくない生徒さん」
ピアノは好きだけど、レッスンやおうちで弾いているところを家族や先生に見られたくない! という生徒さんがいて、対応に悩んでいます。(Y.F先生)
【まるみえ先生回答】
まずは「なぜ見られたくないのか」を掘り下げて考えてみることが大切です。その上で、どのような言葉がけができるかを考えてみました。
自信がない |
自分の演奏に自信がなく、他の人と比べて常に自分の評価を低くしてしまうタイプです。
言葉がけの例:
私は思うけど、〇〇ちゃんの演奏は素敵よ〜。〇〇ちゃんにしかない音色があるね! 自分でわかってる? ちょっと弾いてみてくれたら「そこ!」って教えてあげるから聴かせて?
間違いを許せない |
ほんの小さなミスでも許せない、他人の評価をあまり認めないタイプです。先走って練習する人も多く見られるこのタイプには、片手ずつしか練習できないように片手ずつの楽譜を作成したり、全サイズの楽譜を一度に渡さないようにします。
言葉がけの例:
「間違い」を許せないのだったら、間違いを分析して自分で「間違い」を避ける事も大事やで。間違えたくないのにノープランでは…。傾向と対策をきちんとして、自分自身へのストレスを減らしてね。
(と、高学年の生徒さんには率直に伝えます)
批判されたくない |
自分はうまくできたと思っていても、お母さんや身近な人に認められなかったという経験が過去にあるのかもしれません。このタイプはレッスンアドバイスを「批判」と受け取るかもしれないので、先生が言うのではなく自分で判断させることが大事だと思います。
言葉がけの例:
今の演奏弾いてみてどうやった? 私は聴いていて、とってもこの曲のイメージが出来てると思ったよ。こことかこことか(と、楽譜へ具体的に示します)
音の間違いなどの指摘は二の次にします。最優先は音の間違いよりも「音楽性」であることを遠回しに伝えます。
プレッシャーを感じている |
今日で丸をもらえないと ! とか、次に進まないと !などのプレッシャーを感じているタイプです。
お母さんやおうちの方からのプレッシャーを感じている場合は、お母さんやお家の方へ、ただ単に「丸」をもらえるだけが良いことではないことをお伝えすることも必要かもしれません。
言葉がけの例:
お母さんやお家の人はついつい、テキストが進むことをレッスンのバロメーターにしちゃうけど、本当はマルになってもならなくても、どちらでも良いんだよ。お母さんやお家の人は、〇〇ちゃんの心が軽くて楽しいのが一番なんだよ!
プライドが高い |
常にいいところを見せたい。不完全なところを見せるなんてとんでもない ! そんな生徒さんには、あえて講師である自分の失敗を見せつけ、「間違えてもいい」ということを伝えたいと思っています。
言葉がけの例:
(書き間違えたとき) わぁ〜間違えた! ごめんね。まぁ〜でもいいか。修正テープで消しておこうっと♪
(模範演奏を間違えたとき) わぁ〜音間違えた、もう一回弾くわね。でも、人間やから間違うことができるんだよね
以前どこかで自分の失敗を笑われたり、見られた経験がある |
このケースも、自身の失敗談を話したりします。また、そういう生徒さんには極力ドジであり続けます。「こんな人も生きてるんや」と励みにしてもらえたら、と思ってやっています。
以前、学校の授業で黒板に答えを書けなくて、友達の笑顔が笑われているように感じて学校へ行けなくなった生徒さんがいました。教室には通って下さっていたので、上記のように接しました。飾らずありのままで、失敗をさらけ出すことで気が軽くなったら良いですよね。
誰かと比べちゃう |
ついつい、誰かと比べてしまう生徒さん。それは普段から比較されているからなのかも…。そんな生徒さんには、誰かと比べた言い方ではなく、「オンリーワン」の言い方を徹底します。
言葉がけの例:
これは〇〇ちゃんしか出来ないわ〜〜
これは〇〇ちゃんやから良いんやな
練習していない |
お家での練習環境が整っていないなどの理由であまり練習していない生徒さんへは、教室を「練習した成果を出す場所」ではなく、 「練習を行なう場所」にします。
言葉がけの例:
これを弾く前に、まず練習しようか
片手ずつ練習してから、演奏を聴かせてね
自分を確立していくためには、格好悪いところも含めてありのままの自分をいったん全部受け入れ、そこからいかに立ち上がっていくか? を学んでいくプロセスが重要だと思っています。
そして、1対1のピアノレッスンだからこそ、生徒さんのそういったプロセスに立ち会い、サポートしていく役割を担えるのではないか、と感じています。
中西 美江(なかにし・みえ)プロフィール
奈良・新大宮ぽこあぽこピアノ教室主宰。生徒さんの目の前で書くレッスンをして30年。ポピュラー、ジャズなどを取り入れた独自のカリキュラムでレッスンを行う。
「マイピアノ楽譜」「教室運営法」「体験レッスン成功法」「続けることのできるレッスン法」をテーマに、各地で講座開催中。
https://www.pocoapocopiano3.com/
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