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ピアノ教本/クラシックピアノ

入門時から取り組め、「ハノン」に無理なく進める指トレ本。レッスンの現場から生まれました!

ピアノ教本/クラシックピアノ

「ハノンの前に ピピ ハノン」は、入門時から使える本格的なフィンガートレーニング本。本書の概要、特長、使われる方へのメッセージなどについて、著者の寺田浩子先生がご紹介されている記事(㈱松沢書店発行「ピアノの先生のための情報紙 レッスン・プラスワン」208号)をご紹介します。

ピアノの先生のための情報紙「レッスン・プラス・ワン」

ハノンの前に ピピハノン PiPi HANON  寺田浩子

*入門時から使える本格的な「フィンガートレーニング本」
 音楽指導研究会での意見交換を聞きながら、多くのピアノ指導者の方々が「プレハノン」を使用する時期に、本格的な「フィンガートレーニング教本」を求めていることを実感しました。
 それは次のような特徴を持ち合わせたテキストです。
➀ピアノ初心者の生徒さんが前向きに取り組めると同時に「充実 したフィンガートレーニングテキスト」であること
➁ピアノの発音の仕方と耳の傾け方、手指のフォームの正しい認 識と確立ができること 
➂課題のポイントが明確で、反復練習が可能であること 
➃「ハノン教本」に自然に繋がっていけるような構成であること 

*「ピピ ハノン」の特徴
 本書は3つの「ステップ」と「プチ・チャレンジ」の4部構成でフィンガートレーニングを進めます。順番は次の通りです。

「ステップ1:フィンガートレーニングの導入」
「ステップ2:フィンガートレーニングの発展」
「プチ・チャレンジ:経験してほしい指の動き」
「ステップ3:ハノンへの繋がりを意識した課題」

 短い音形をハノンのように上行下行するので、読譜ができなくても広い音域を使うことができます。また、各課題の4拍目に4分休符を入れることで課題を弾き進めやすくなり、休符時の言葉かけで楽しく進められます!
 ステップ1では一つの課題に対して指使いを変える練習もあり、5本の指をまんべんなく使うことができます。その結果、音と指が固定化されず、ポジション変化にも対応できるようになります。
 手、指などのフォームは絵や動画で解説されているので、レッスンで確認したり、家で保護者と見返したりすることが可能です (ポイントを意識しながら練習を積み重ねることはとても大事!)。導入期ではメインテキストで使う指や音域が限られがちですが、「ピピハノン」は初期の段階から広い音域で5指を使うので、数倍の練習量になり、家庭での練習を大幅に増やすことができます。
 練習後、ページ下部の花びらのイラストに色を塗っていく事で練習量を可視化することができ、テキストはオリジナルテキストとなっていきます。塗っていく色、回数、順番などを変えることを生徒さんと相談しながら進めることは、指導者と学習者の楽しいコミュニケーションタイムになるでしょう。

*「ピピハノン」=「ハノン」のフィンガートレーニング効果!
 現在でも使われ続ける「ハノン教本」の練習効果は、大きく二つ考えられます。一つは〈脳⇒指〉の神経回路に〈指⇒脳〉の逆向神経回路を増やすことによって指の独立を促し、正確に思い通りに指を動かせるようにすること。もう一つは、ピアノの音を指先で作っていく意識を高め、触感、聴感覚を研ぎ澄ましていくこと。
 「ハノン教本」で培った基礎力は、演奏力に大きな影響を及ぼします。神経系や感覚も大きく発達するでしょう。その効果を実感するからこそ、ハノンは上級者になっても使われ続けているのだと思います。ステップごとに明確に練習内容を高めていく「ピピハノン」の効果も同じです。「ピピハノン」がレッスンや家庭練習に変化をもたらし、ピアノも神経系の発達もパワーアップしていくテキストになってくれたらとても嬉しいです。

寺田浩子(てらだ・ひろこ)

ヤマハ音楽教室システム講師退任後は自宅レッスンで指導を継続しながら、地域の音楽文化の普及・発展に尽力し続ける。講師=保護者=生徒の結びつきを大切にし、成長を共に見つめる姿勢が、保護者から絶大な信頼を得ている。発表会では自身のアレンジ、作曲の経験を生かしたプログラムを組んでいる。全国のピアノ指導者たちと情報を交換しながら、音楽指導者として邁進を続けている。