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アルプススタンドの熱気や歓声、応援の音色までが伝わってくるようなイラストと、試合を大きく盛り上げる選曲とアレンジ、そして

これぞ青春！

なタイトルが魅力的な「ブラバン！甲子園」シリーズ。
楽器店の店頭に並ぶことはほとんどないですが、2000年の刊行開始以来、多くの学校の試合応援を盛り上げてきました。

今回は出版元のロケットミュージック代表取締役・助安博之様に、シリーズの特長や出版にまつわるエピソード、これから試合を控える読者に向けてなど、いろいろなお話をお聞きしました♪

お話をお聞きしました！

♪お客様からのリクエストから生まれたシリーズ

――　「ブラバン！甲子園」は2000年の発刊以来、24年続いている長寿シリーズだそうですね。このシリーズはどのようにして生まれたのですか？

ロケットミュージックでは楽譜を出版するにあたり、お客様からのリクエストを非常に重視していまして、中でも多かった「野球応援の曲集をお願いします」という声に応えて出版したのが「ブラバン！甲子園」シリーズです。
その後、2007年にユニバーサルから楽譜と対応したCDをリリースしまして、１作目の演奏は「東京佼成ウインドオーケストラ」に委嘱しました。このCDはその年の日本レコード大賞企画賞など、たくさんの賞を受賞しました。
もともと、野球の応援は大学野球、特に東京六大学野球の応援で最初に導入されたマーチ応援が起源で、それまでは楽譜は一切出版されていませんでしたが、この「ブラバン！甲子園」シリーズで、中学・高校に広まっていきました。

――　球場で「鳴り」を良くするために編曲を研究されたとのことですが、どのようなアレンジですか？

屋外での演奏用ですので、そのためのオーケストレーションを研究しました。具体的には、遠くまで鳴り響く金管を中心に、ずっと「ff（フォルティシモ）」でも大丈夫なように、さらには、たくさんのパートが参加する合奏の面から、「聴かせる」音楽としてのアレンジの工夫を随所にしています。

今年、初の「ブラバン！甲子園」ライブを新宿で開催した時のひとコマ。「背番号17」・大谷選手のユニフォームを着ているのが助安社長です！

♪大阪桐蔭高校を優勝に導いた「アルプス・キダ・タロー」

作曲・編曲はいろいろな方にお願いしていますが、その中のおひとりが「浪花のモーツァルト」の愛称で知られる作曲家のキダ・タローさんです。残念ながら今年5月にお亡くなりになってしまいましたが、そのキダさんが2014年に「ブラバン！甲子園」のために書き下ろしてくれた「アルプス・キダ・タロー」という曲があります。キダさんの作曲家人生で初めての高校野球応援曲で、「アルプス席で演奏して、みんなが元気になってほしい」という思いを込めて書き上げてくれました。この曲が演奏された試合では二桁得点となったり、逆転の足がかりを生み出したりとミラクルを連発。演奏していた大阪桐蔭高校は甲子園優勝という快挙を遂げ、今では「アルプス・キダ・タロー」は「神曲」として有名になっています。

伝説の神曲「アルプス・キダ・タロー」収録の楽譜はこちら。表紙右上にキダさんがいらっしゃいますね！　会場の熱気が伝わるジャケットイラストは「ブラブラバンバン」で知られる漫画家、柏木ハルコさんの描き下ろしです！
（表紙クリックorタップで商品ページに移動します）

♪試合の重要な「演出者」として、選手を励まし、スタンドを盛り上げよう！

――　これから野球の応援を控えている皆さんにメッセージをお願いします。

「野球場で野球応援曲を吹奏楽で鳴らす」――　これは世界広しといえども日本だけで、日本のひとつの文化と言ってもよいと思います。「選手を励ます」「観客を盛りあげる」など、応援曲の奏者は縁の下の力持ち的存在ですが、同時に、試合の重要な「演出者」でもあります。この演出がないと「日本の野球」にはなりません。
奏者の皆様、吹奏楽部員の皆様、夏の暑い中での予選・本番の演奏になりますが、選手まで音は届いています！がんばってください！！