今回のお悩みは…
「教室規約を作りたい」
春の新入会に向けて教室規約を作ろうと思っています。気をつける点など、アドバイスをいただけましたら幸いです。（Ｒ．Ｔ先生）

前編：規約を作る上でのポイント
後編：規約作成の具体例　←　今ここ！

【まるみえ先生回答】

　それでは、「規約」の具体的な内容をご提案します。

１．レッスン料について

●料金体系
・月謝制、回数制、単発制のいずれに当てはまるのか
・支払期日（例：毎月末まで、〇〇日まで）

●返金ポリシー
・欠席や退会時に未受講分の返金を行うか、行わないか

●追加料金
・発表会費、楽譜代、教材費などの追加費用について

２．レッスンの振替対応について

●欠席時の振替申し込みについて
・受付締切時間（例：24時間前まで連絡が必要）
・対応範囲や条件（例：連絡なしの欠席は振替不可）

●講師側の都合での振替について
・体調不良や緊急時の対応（振替日程や返金の有無）

●振替レッスンの有効期限
・欠席時に振替可能な期間（例：1か月以内など）

３．レッスンの進行とルール

●時間厳守
・レッスン開始時間・終了時間を守ることを明記
・遅刻の場合、レッスン時間が短縮される可能性を記載しておく

●準備物
・生徒が持参すべきもの（例：楽譜、筆記用具）

●保護者の付き添い
・幼児や小学生の場合の保護者の付き添いの可否

●教室の備品使用
・ピアノ以外の備品（椅子、教材など）の取り扱いルール

４．退会について

●退会連絡の期限
・退会希望時の通知期限（例：前月の末日まで）

●途中退会の扱い
・月謝制の場合は月途中の退会でも返金しないなど

５．教室の運営ポリシー

●防犯・安全対策
・教室外での待機や送迎に関するルール
・未成年の生徒の保護者への連絡体制

●写真・動画撮影の取り扱い
・発表会やレッスン風景を撮影する場合の写真・動画の取り扱いについて（例：教室HP、SNSには顔がわからないようにして掲載するなど）

●教室内での禁止事項
・飲食、喫煙、大声での会話などの禁止行為

６．コミュニケーションに関する規定

●連絡手段
・教室との連絡方法（メール、LINE、電話など）
・緊急時の連絡方法

●質問や相談の時間
・レッスン時間外で相談に応じる時間とその方法

７．イベントや特別な取り組みについて

●発表会・コンクール参加
・任意か必須か、参加費やスケジュール

●休校期間
・年末年始、夏季休暇などの特定期間

●オンラインレッスン対応
・生徒側の通信環境や機材の条件、接続トラブル時の対応

８．トラブル防止のための記載

●講師と生徒の信頼関係
・レッスン内容や進度については、講師側に主導権があること

●損害賠償の責任範囲について
・教室内での不慮の事故や物品破損についての責任範囲

９．規約の改定、更新

●規約の改定の有無
・規約は必要に応じて改定すること、改定時は事前に通知するなど

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　以上、いかがでしたでしょうか。ご自身のお教室の状況をふまえながら、簡潔かつ分かりやすくまとめることを心がけて作成してみましょう！

……　かくいう私ですが、実は、運営するぽこあぽこピアノ教室ではいわゆる「教室規約」は作っていません。お月謝に関する説明書をお渡しするくらいです。

　ですが、私の中には「ぽこあぽこピアノ教室はこうである」という明確な理念があり、その理念を実現するための基準も明確に持っているので、規約そのものは作っていませんが、自分自身が「規約」として、ケースバイケースな対応をしています。

中西 美江（なかにし・みえ）プロフィール
奈良・新大宮ぽこあぽこピアノ教室主宰。生徒さんの目の前で書くレッスンをして３０年。ポピュラー、ジャズなどを取り入れた独自のカリキュラムでレッスンを行う。
「マイピアノ楽譜」「教室運営法」「体験レッスン成功法」「続けることのできるレッスン法」をテーマに、各地で講座開催中。
https://www.pocoapocopiano3.com/

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