第5楽章はアリアと題され、2分の拍子です。音階で下っていく低音(第3楽章を思い出させます)に乗ってリコーダーが示した動機を受けて低音が同度(2オクターブ下)で模倣して始まり、リコーダーが、あらためて同じ動機から始まる8小節ほどの主題にまとめます。以下この主題を扱って語り進め、最後はもう1度この主題を(後半に変奏を加えながら)再現して終わっています。歌謡性が強く、リズムも生き生きと躍動する佳品で、実はヘンリー・パーセルのオペラ「妖精の女王」のアリア「Thus the ever Grateful Spring」をそのままソナタ楽章に取り入れたものです。ロジエが引用したのか、写譜屋のバベルの仕業なのか。