書籍/雑誌

「透析患者」によるバンド「サンワ・オールスターズ」！

コロナ禍の最中、2022年『歌ひとすじに――日本の歌・ユダヤの歌』（大阪教育図書）を出版した。「今後を歩むための基盤」「歌の水準をいかに引き上げられるか」を模索しつつ書いたつもりだった。しかし、その後において、大きな進歩を感じられず、やはり、これまでの道を着実に歩む以外にはないという結論に至った。そんな折、透析患者たちのバンド「サンワ・オールスターズ」の存在を知る。無気力で魂の抜け殻のようになっている「透析患者」のなかにも真摯に物事に打ち込む人たちがいることを知り、勇気が湧いてきた。災難や難病、事故に遭遇する紆余曲折の人生でも、目的・目標をもって生きていれば、いくばくかの意義が達成できる。挑戦を続けていれば少なくとも負け犬にはならない。学生でも主婦でも退職者でも難病患者でも、人生をマネージメントする「経営者」の意識をもち、生涯運営計画を邁進すれば、人生の境位に大きな違いが生じるはずだ。そのことは、サンワ・オールスターズのバンド活動を通じて大いに実感している。そこでは、メンバーの各人が「経営者」の気持ちになりバンドを盛り立てている。本書は、そのバンドの初期の活動から現在までを詳細に記したものである。