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1897年の交響曲第1番初演を酷評されたラフマニノフは、しばらく作曲の筆を取ることができなかったが、精神科医ダーリの暗示療法が効を奏して、長いスランプから立ち直ることができた。その記念碑的作品がこの曲である。初演は作曲者自身のピアノ、ジロティの指揮によって1901年11月にモスクワで行われた。解説は、ミニチュア・スコア初登場の、野平一郎による。まさにラフマニノフと同じ作曲家であり、ピアニストである立場から、人々の心に忘れがたい印象を残す、この愛すべき作品の魅力を、精緻な楽曲分析を踏まえて縦横に解き明かす。ことに、古今の協奏曲作品との連関を指摘する視点はきわめて斬新で、今までになかったものと言える。
ピアノ協奏曲第2番ハ短調
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