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第二次世界大戦下のヨーロッパから戦火を避けて、1940年に移住したバルトークが、アメリカで手掛けたほとんど唯一の作品。ボストン交響楽団の指揮者クーセヴィツキーが、最愛の夫人を追悼する作品として委嘱したもの。集中的に作曲した43年夏から秋に掛けて、バルトークはすでに白血病に冒され、体調は思わしくなかった。曲は、タイトルが示すとおり、バロック時代のコンチェルト・グロッソに範を取り、ソロ、もしくはパート・ソロのヴィルトゥオジティを全面に打ち出すとともに、自作に多くの先例がある5楽章形式による、厳格にシンメトリカルな構造を目指している。南スラブ民謡に由来する「オクタトニック(8音音階)」を原初的動機として用い、全体としてきわめて個性的な音楽を形作っている。20世紀のあらゆる管弦楽作品のなかでも屈指の人気を誇り、吹奏楽版もよく演奏される。
管弦楽のための協奏曲 Sz.116,BB123 【スコア】
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