フリードリヒ・キール Friedrich Kiel(1821~1885 ドイツ)は、シューマンとブラームスの間の世代の作曲家で、器楽曲・室内楽の作品、とりわけピアノ曲を多く残した。1870年から設立後間もない王立音楽演劇アカデミー(現在のベルリン芸術大学)の音楽理論の教師となり、1882年に同校の作曲科長、理事を歴任した。弟子にM.モシュコフスキ、I.パデレフスキ、Z.ノスコフスキ、C.V.スタンフォードなど。小学校低学年くらいから中学生~大学生向けでもある。親しみやすい旋律や歯切れの良いリズムなどロマン派の流れを汲んだ魅力的な作品で、短調、長調のバランスよく構成されている。最初の6曲においてPrimoは両手がオクターヴ離れたユニゾンによるもので構成される。特に1曲めは固定されたポジション群の5つの音による極めて易しい小品である。後半の4曲で中級程度となる。 カノン、賛歌、タランテッラ他、全10曲。