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ウクレレ/カリンバ その他楽器

SR-165 G. フィンガー ソナタ集 第4巻

税込価格(本体):
3,080(2,800)円
出版社:
リコーダーJP

ソナタ ニ短調 作品3-9

★解題★

 フィンガーの「作品3」はアムステルダムのロジャーが出版した楽譜が残っていますが、いつごろ出版されたかはわかっていません(一説には1701年ごろ)。題名にははっきりと「DIX SONATES a 1 Flute & Basse Continue」とありますので、リコーダーと通奏低音のためのソナタです。比較的やさしく演奏できる、比較的短いソナタ10曲が収録されています。

 中期バロックの香りを残すスタイルで、和声にも後期バロックとは少し違う雰囲気があります。


★解説★

 いろいろな趣向を凝らした面白いソナタです。多くの楽章に低音による「後奏」があるのも、フィンガーらしい特徴です。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子。決然とした感じのモチーフで始まり、次々といろいろな新しいモチーフを持ち出して進めていきます。終わり近くでしばらく16分音符が連続する箇所は、少し自由な感じで演奏するのが期待されているのかも知れません。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。16分音符が連続する疾走感のある主題と下降ゼクエンツに乗って示されるリズミックな副主題を素材としながら音楽が進んでいきます。終止カデンツで音符が予想より大きく(つまり倍に)なったように感じて戸惑う場面があるかも知れません。

 第3楽章は再びアダージョ、4分の4拍子で、変ロ長調で始まります。やや奇矯な感のあるモチーフを持ち出したり、つぎつぎと予想外の進み方へ持ち込むなどして、驚かせにかかっています。

 第4楽章は再びアレグロで、4分の3拍子です。力強い感じの主題で始まって、説得力のある進行・・・と思っていると、少し16分音符の速い動きが導入され、しだいにエスカレートして最後は嵐のように。最初の方がやさしいので気分よく演奏していると、最後に泡を食います。

 第5楽章はプレスト(速く)、8分の6拍子。付点八分の跳ねるリズムを含み、速いテンポで駆け抜ける快感の音楽ではなさそうです。また、どうやらジークでもなくて、途中は8分の9拍子のような感じになるなどフレーズの長さもいろいろに変化していく、意外に複雑な内容の音楽です。
 
 
 フィンガー氏のグラウンド
(ソナタ ヘ長調 作品3-10)

★曲集『ディヴィジョン・フルート』について★

 ディヴィジョンとは、多くの回数繰り返し演奏される低音パターンに乗せて、即興的に演奏された一種の変奏曲で、主題としては、よく知られた歌謡や楽曲の旋律が用いられました。イギリスでは17世紀にヴァイオリンの名手たちがよく演奏して人気を博しました。1686年にイギリスの出版業者Playfordが出版した『ディヴィジョン・ヴァイオリン』は、名人のたちの演奏に刺激された音楽ファンの「自分でも演奏してみたい」という需要に応えるものだったのでしょう。

 やがて紳士の間でリコーダーが流行するなか、出版業者Walshは1700年代初頭に『ディヴィジョン・フルート』を発刊しました。これは、『ディヴィジョン・ヴァイオリン』から多くの曲を取り入れ、別の曲も加えて編まれたもので、有名な「グリーンスリーブズ」や「イタリアン・グラウンド」などを含む、リコーダーファンの間では有名な曲集となっています。


★「フィンガー氏のグラウンド」について★

 ゴットフリート・フィンガーの「10のソナタ (フラウト [=アルトリコーダー] と通奏低音のための)作品3」は、1700年ごろアムステルダムで出版されました。

 本作はもともと、このソナタ集の最後に置かれた単楽章形式のソナタで、チャコーナ(シャコンヌ)と題されています。ソナタ集の最後に、やはり変奏曲の一種である「フォリア」のみの単楽章ソナタを置いた、コレルリの先例にならったものでしょう。

 それが、のちに「フィンガー氏のグラウンド」と題してディヴィジョン・フルートの第2巻にも冒頭に収録されました。名のある作曲家が変奏も含めて全体をきちっと書き上げた作品は、この曲集には多くありませんので、貴重な存在となっています。

 さて、したがって私たちにとっては参考となる原典が少なくとも2種あるわけですが、2種の資料に異同箇所は少なくないうえ、それぞれに疑問箇所も多い状態です。そこで、本書では、両者の「良いところ取り」をしながら校訂譜としてまとめました。2種の原典はWebサイト「IMSLP」等でどちらも容易に参照できますので、興味のあるかたはご覧になるとよいでしょう。

 曲は「アレグロ」(快活に)と指定されており、4分の3拍子です。主題はリピート指定によって2度繰り返されます。低音は、「反復進行(ゼクエンツ)」と呼ばれる規則的な動きを取り入れたシンプルな4小節のもので、これがえんえん繰り返されるわけです。(そして、この低音からしてソナタ集は最初の完全小節の3拍目「ミ」の音に「♭」を付していて、いきなり「ええっ?」という・・・。低音は4小節というごく短いものですし、しかも「超・大切」なので、ミスによる誤りとは思いにくいのですが、本書では「ディヴィジョン・フルート」に従ってナチュラルのミとしています。)

 全体で30回ほどもこの主題をいろいろに変奏しながら演奏することになりますが、大きな特徴は、4小節のうち最後の1小節の内容が「次の変奏の変奏方法を予告する小節」になっている箇所が多いことです。このため、4小節の変奏を2度ずつ繰り返して演奏するような行き方は、本作の場合はあり得ないことになります。

 ともあれ、さすがに大作曲家の作品で、変奏のセンスも良いですし、音が細かくなったりまたゆったりした動きになったり変化に富んでいて、たいへんたのしく演奏できます。
G. フィンガー ソナタ ニ短調 作品3-9/G. フィンガー ソナタ ヘ長調 作品3-10

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