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ウクレレ/カリンバ その他楽器
第15番★解題★ サンマルティーニの通奏低音つきソロソナタばかり27曲を集めた、「シブレー写本(Sibley Manuscript)」と呼ばれる筆写譜があります(ロチェスター大学所蔵)。このうち15曲がリコーダー用のソナタで、最大の数を占めています。(ほかはオーボエ用、ヴァイオリン用、横吹きフルート用など。) サンマルティーニのリコーダー用ソナタの出版作品はあまりたくさん残っていませんので、これが貴重なソースになっています。★解説★ 1楽章や3楽章の、ひきしまった劇的な構成力といい、全編にみなぎる力といい、独創的で魅力あふれる傑作です。 第1楽章は4分の4拍子で、アンダンテ(歩くように)と指定されています。バロック時代の「アンダンテ」にはテンポを遅くする意味はないと言ってよく、むしろかなり速い曲も多いのですが、この曲の場合はメトロノーム的な意味ではかなり遅い部類です。細かい動きで、しかし、しっかりとした歩みで進んでいきます。 第2楽章はハ短調で、スピリトーソ(元気に)と指定され、4分の3拍子で、軽くおどけるような表情を持つ実にユニークな音楽です。後年ベートーヴェンなどがソナタや交響曲によく取り入れたスケルツォ(諧謔曲)のようなおもむきです。 第3楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子で、ヘ短調に戻り、決然とした感じの主題で始まります。実に爽快な疾走感で進みながら、表情の変化の多彩さと自在さは驚くほどで、ジュゼッペ・サンマルティーニこそはイタリアバロックでも最高の天才の一人だったことがよくわかる逸品です。 第16番 ★解題★ サンマルティーニの通奏低音つきソロソナタばかり27曲を集めた、「シブレー写本(Sibley Manuscript)」と呼ばれる筆写譜があります(ロチェスター大学所蔵)。このうち15曲がリコーダー用のソナタで、最大の数を占めています。(ほかはオーボエ用、ヴァイオリン用、横吹きフルート用など。) サンマルティーニのリコーダー用ソナタの出版作品はあまりたくさん残っていませんので、これが貴重なソースになっています。★解説★ 3つの楽章から成っています。すばらしく豊かな楽想を力強く展開していく、サンマルティーニの天才を遺憾なく発揮した名品です。 第1楽章は4分の3拍子で、アレグロ(快活に)と指定されています。多彩なリズム型を駆使しながら堂々たる歩調で音楽を繰り広げるさまは、まさに大家の風格です。繰り返しのあと展開部へ進みますが、入り方の雰囲気といい、前半とは打って変わった激しい表現といい、のちに全盛となる「ソナタ形式」の音楽を先取っています。ただ「再現」はあまりはっきりとしたものではありませんが、それでいて前半の音楽が戻ってきたと感じさせるところが、かえって非凡なのかも知れません。 第2楽章はニ長調の第1楽章に対して「同主短調」であるニ短調で書かれています。アンダンテ(歩くように)と指定され、8分の12拍子で、シチリアーノふうの音楽と言っても良いでしょうか。ただ内容的には、第1楽章が全体として晴朗な音楽だったのとは対照的な、暗い情緒の音楽で、大胆な転調を駆使しながら劇的に構成されています。 第3楽章はアレグロ・アッサイ(非常に快活に)、4分の2拍子です。同じ長調の音楽でも、第1楽章がどっしりした歩みの音楽だったのに対し、非常にキビキビした運動性を持っています。最初のテーマの音楽が一息ついたあと14小節から登場するのは、まさしく「ソナタ形式の第2主題」の風格。そして繰り返しのあと後半は展開部に入り、半音階的な進行を効果的に使って怪しい盛り上げリをみせます。そしてわかりやすい再現へと進みますが、「第2主題の再現」が省略ぎみになっているのは、この時代の、いわば「プレ・ソナタ形式」の特徴のひとつです。 第17番 ★解題★ サンマルティーニの通奏低音つきソロソナタばかり27曲を集めた、「シブレー写本(Sibley Manuscript)」と呼ばれる筆写譜があります(ロチェスター大学所蔵)。このうち15曲がリコーダー用のソナタで、最大の数を占めています。(ほかはオーボエ用、ヴァイオリン用、横吹きフルート用など。) サンマルティーニのリコーダー用ソナタの出版作品はあまりたくさん残っていませんので、これが貴重なソースになっています。★解説★ 3つの楽章から成り、独創的で充実した内容の傑作です。弊社版が主たる底本とした「シブレー写本」のほかに、「ドレスデン写本」(ザクセン州立図書館所蔵、4曲)にもこの曲が伝わっていますが、そちらでは、第3楽章が5小節目あたりからすっかり別の曲になっています。おそらくサンマルティーニ自身が異なる2種類の稿をなしていたのでしょう。(弊社版には付録として「ドレスデン写本による第3楽章」も併録しました。) 第1楽章はアンダンテ(歩くように)と指定され、4分の3拍子です。バロック時代の「アンダンテ」はかなり速いテンポが想定されていることが多く、この楽章も快速楽章だと考えたほうがいいでしょう。リコーダーが分散和音で伴奏側に回るような趣の箇所が多いのは、サンマルティーニによく見られる手法です。力のこもった堂々たる冒頭楽章です。 第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子で、主調(ヘ長調)に対する平行調にあたる、ニ短調です。コンパクトにまとめられてた、叙情的な珠玉の間奏曲となっています。 第3楽章はアレグロ(快活に)、2分の2拍子です。力強い二分音符の打ち鳴らしから音階で駆け上がるモチーフで始まりますが、すぐに独特な音型によるゼクエンツになり、以後はむしろこの音型を中心として語り進めていきます。間もなくハ長調でシンコペーションのリズムに特徴のある第2テーマが示されますが、後半の展開部分で、このテーマに由来するモチーフが半音階的に下る和声に乗って漂うように奏される箇所の美しさには、誰しも魅了されるでしょう。やがて再現的な部分に入りますが、この時代の曲によくみられる、雰囲気を中心とした不完全な再現が心憎い効果を上げ、最後は圧倒的な高揚感を持ってしめくくっています。 G.サンマルティーニ ソナタ ハ長調 シブレー写本第15番/ G.サンマルティーニ ソナタ ト短調 シブレー写本第16番/ G.サンマルティーニ ソナタ ハ長調 シブレー写本第17番
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