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書籍/雑誌

増補版古三線に魅せられて  沖縄の三線に込められた想いをたどる

税込価格(本体):
2,200(2,000)円
出版社:
ボーダーインク

沖縄の伝統的楽器・三線は現在でも製作・演奏されているが、実は戦前製作されたものは現在の三線とは違う点が多々ある。そのことに疑問をいただいた著者がその謎に解明に取り組み、三線文化の奥深さや精神性を明らかにしていく。さらに古い三線の音色やたたずまいに魅せられ「良い三線とは何か? 魅力的な音の源は何か?」を追い求め、多くの古三線を探訪し、研究を続けている。それぞれの古三線には多くの想いや歴史が込められており、それぞれの物語が語られる。三線を愛する著者が送る古三線への想いのつまった一冊。

あとがき~本書で一番に訴えたいこと
伊江朝助先生は『琉球三味線宝鑑』の「序」でこう述べている。
「日本人の刀剣鑑賞、沖縄人の三味線愛好は、世人の想像以上である。」
また東恩納寛惇先生は同じく同書の「三味線考」の中ではこう述べている。
「洪武の初年、三十六姓と共に三味線が福州から伝来したと、専門家は無雑作に断定してゐるが、それは単なる推定に過ぎない。(中略)。それにしても、それ等の雑楽器の中から、蛇皮線だけが離れてそのまゝ三味線にまで成長し、宮廷正楽の太宗とまでなつたものではなく、伝来後、一旦日本内地に渡り、そこで脱皮して三味線となり、再び琉球へかへつて、独特の生育を遂げたものである。」
このように多くの先生方や専門家によって三線の歴史は語られてきた。
しかし、誰もが「何故?」と疑問を持っていたが、わからぬまま長い間解決されずに見過ごされてきた謎がある。それは、三線の形状、長さ、芯の作り、芯穴の憶測、等である。それに関しては研究家の資料にも推測の一つとしてのみ取り上げられただけであり、その他の大型の三線書や単行本にも明確に記されたものはない。既に確固たるものがあれば、とうの前に発表されていたはずであろう。
では、その真意は何だったのだろうか。
それらは琉球の長い歴史のある時代まで語り継がれていたかもしれない。それとも激動の時代と共に途絶えたか。または一部の愛弦家の間のみで密かに嗜まれた趣であったのか。
本書はそれらの疑問の解決を促すものになるものと思い、執筆した。そこから更に今後の三線研究の幅広い発展を望むと共に、私自身もより深い琉球文化の勉強に励んでいきたいと思っている。
最後にこの本を出版するにあたって、快く協力していただいた皆様に御礼申し上げます。また長年この活動を支えてくださった県内外の愛弦家の皆様にも感謝申し上げます。ありがとうございました。

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