ソナタ ニ長調 バベル写本 第19番
★解題★
17世紀終わりごろのリコーダーソナタ 25曲を中心とする、チャールズ・バベルの写本(ロチェスター大学シブレー図書館所蔵)で、第19番として収録されているソナタです。
★解説★
5つの楽章から成っています。第1楽章・第2楽章に短い「後奏」があるのは、17世紀末ごろのソナタによるみられる特徴のひとつです。各楽章内に大きな(あるいは劇的な)起伏はありませんが、バラエティーに富む楽章が並べられていて楽しく演奏できる一品です。
第1楽章はモデラート(穏やかに)、4分の4拍子です。比較的言葉数多く語るテーマで始まり、これをいろいろな調に移したりしながら何度も扱いながら淡々と語り進めますが、気持ちの微妙な移り行きが描かれていて、なかなか味わい深いものがあります。
第2楽章はアレグロ(快活に)と指定され、4分の6拍子です。この楽章も、最初に示したテーマを、少しずつの変化を加えながら何度も扱う構成です。小気味よいスピード感があって、気分よく演奏できます。
第3楽章は、アダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子。ロ短調で沈鬱な調子で始まります。途中、一瞬だけニ長調に入りますが、ほとんど短調一色の音楽を繰り広げておきながら、最後に、やや唐突に(あるいは強引に)ニ長調に明るんで終わります。
第4楽章は2分の2拍子のアルマンドです。さわやかな曲調で、短めにすっきりとまとめられた佳品です。
第5楽章は再びアレグロで、8分の6拍子です。後期バロックのソナタではよく終局にジーグが置かれましたが、この楽章はジーグではなさそうです。しかし、踊るようなはなやかな魅力のある終曲です。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第2楽章(B3)
第3楽章(B2)
第4楽章(B3)
第5楽章(C1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:石田誠司 (YAMAHA YRA-802使用)
チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)
近隣店舗の在庫状況
※お近くの店舗から順に表示しています。
※在庫はリアルタイムではなく、品切れの場合もあります。目安としてご利用ください。










