「はじめてのピアチャレ」(音楽之友社)に待望の続巻(2,3巻)が登場。1巻目の反響、続巻の内容など、著者の山本美芽先生にお聞きしました!
ピアノ教本/クラシックピアノ
昨年秋に1冊目が発売され、たちまち人気テキストとなった「 はじめてのピアチャレ」に、待望の続巻が発売となりました!
子ども向けのピアノ教本には珍しい「どれみ」のかなふり楽譜、現場の先生方にはどのように受け入れられたのでしょうか。また、気になる続巻の内容は…? ピアチャレの生みの親・山本美芽先生にお聞きしました。
インタビューの一番下には、先生ご本人からのスペシャルメッセージ動画も掲載していますので、どうぞお見逃しなく!
山本美芽先生 東京学芸大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。1997年より音楽ライターとして執筆活動に入る。ピアノ教本研究家、ピアノ講師として、国内外のピアノ教本とピアノレッスンの現状を分析。「山本美芽ライティング研究会」を主宰し、全国のピアノ講師とともに現代の子どもたちに向けた指導法を研究。『練習しない子のためのピアノレッスン』(音楽之友社)など著書多数。ピアノを多喜靖美、根津栄子に師事。 |
――「はじめてのピアチャレ」は、昨年秋の発売以降、瞬く間に増刷がかかり、その後も順調に版を重ねているそうですね。実際に「ピアチャレ」をお使いになった方々からの反響はいかがですか?
ピアノの先生方から、「生徒たちが思いがけず初見で曲が弾けて喜んでいる」というメッセージが毎日のように届いています。「体験レッスンで使ったところ、すぐに入会が決まった」「他の楽譜だとピアノの前に座っていられない生徒が、ピアチャレを見せたらピアノの前に座って何度も弾いていた」「宿題になっていない曲も自発的に練習してきたり、右手の曲を左手で弾くから聞いて欲しいと先生に申し出たりしている」「初めての発表会に向けて、自分でピアチャレから曲を選んで練習している」などの声を頂いています。
子どもたちが本来持っていたピアノへの意欲が、『ピアチャレ』をきっかけに表に出てきたのでしょうね。小学校高学年や、大人の独習、シニアのグループレッスンなどでも使い勝手が良いと好評です。
―― つい先日発売された2巻と3巻はどのような内容ですか?
お馴染みの曲を題材に、どれみのかなふり楽譜という基本的なコンセプトはそのまま、少しずつ発展しています。どれみの文字は大部分の音符に入っていますが、同じ音が連続して使われているところなどは、読譜力を高めるためにも、どれみの文字を書いていない音符が登場します。
『ピアチャレ2』は「こぎつね」が表紙です。ト音記号の「そらしどれ」を中心に、片手では《いもむしごろごろ》《おせんべやけたかな》、両手では《ほたるこい》《グーチョキパーのうた》《ジングルベル》などの8分音符が多い曲や、少し長い曲が登場します。1巻では両手奏の伴奏パターンが「そ」だけでしたが、2巻からは曲によって「そ」「れ」「ら」の3つの音が出てきます。
『ピアチャレ3』は「こいぬ」が表紙です。ヘ音記号の「どれみふぁそ」を中心に扱います。2巻までは右手→左手へと進む流れでしたが、3巻はへ音記号の音域に慣れるためにも左手→右手と進みます。片手では《いちばんぼしみつけた》《にらめっこしましょ》など、両手では《こいぬのマーチ》《しずかなこはん》《いとまきのうた》《ひげじいさん》などが登場します。両手奏のときに、左手でメロディを弾く部分をたくさん作りました。
実際のページをちょっとだけご紹介♪
―― これからピアチャレを使ってみようかなと思っている方へのメッセージをお願いします。
楽譜を開いたときに子どもたちが「これなら弾けそう」と思えるためにどうしたらいいのか、長年の研究と試行錯誤の末に『ピアチャレ』が生まれました。出来上がった楽譜はモニターの子どもたちに弾いてもらい、曲をやさしい順に入れ替え、スムーズに弾けるように修正を重ねました。ページ構成にあたっては、たくさんの余白と塗り絵をしたくなるようなイラストを入れ、気づいたことを書き込めるようにしました。ピアチャレを使って、楽譜を見て曲を弾く楽しさを体験し、未知の曲にチャレンジする足掛かりにしてもらえれば幸いです。
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